サイトカイン ストーム ステロイド。 炎症性サイトカイン!その作用と役割、炎症を抑える6食材とは?

成人発症スティル病|膠原病・リウマチ内科|順天堂医院

サイトカイン ストーム ステロイド

サイトカイン免疫細胞とは、サイトカインによって免疫細胞が活性化された状態を指します。 身体に侵入してきた細菌や寄生虫などの敵を、サイトカインによって活性化された攻撃細胞が撃退してくれるものです。 このサイトカインですが、今も研究が進められて新しいサイトカインが発見されています。 それぞれの免疫細胞に働きかけるサイトカインは、炎症性のものと抗炎症性のものに分けられます。 この反対の性質をもったサイトカインのバランスを保つことで、身体が正常な状態に保つことができます。 サイトカインは病気のもとを退治してくれる働きをするリンパ球を刺激してもっと働きをよくするための活性物質のことです。 引用元: サイトカインはいわば連絡係です。 細胞同士の情報伝達を担っています。 実際に免疫力を調節するのはリンパ球などの免疫細胞ですが、それに刺激を与えるサイトカインがあってこそ、リンパ球は病原菌に対して攻撃をします。 免疫細胞には単球であるマクロファージや、リンパ球であるヘルパーT細胞、ナチュラルキラー細胞、顆粒球である好中球などがあります。 これらの細胞ががんやその他の病原菌をやっつけてくれます。 そのため、免疫細胞を活性化させる役割を持っているサイトカインが注目されているのです。 サイトカインは白血球から生み出される活性物質のひとつであり、タンパク質から合成されたものです。 免疫ホルモンと言われるほど免疫に関して非常に深いかかわりを持つこのサイトカインは、抗腫瘍作用なども注目されています。 現在、医薬業界でも注目され最も有名なサイトカインはインターフェロン、インターロイキン、腫瘍壊死因子の3つです。 すでに実用化されているものもあり、医療の現場では常識となっているサイトカインです。 サイトカインは自己免疫疾患にも多く関わりがあります。 サイトカインがゆがんでしまい、免疫機能が制御できなくなることで多くの疾患をもたらします。 自己免疫疾患には各臓器特異性のものや全身性のものがありますが、どちらもサイトカインが関わっています。 サイトカインをどう制御するかによって、これらの自己免疫疾患を克服できるのではと考えられていて、それぞれの病気に関する研究が世界中で進められています。 炎症反応で身体が不調な人は、この炎症反応を抑えるための食材をとると良いとされています。 東洋医学的な考えになりますが、漢方やサプリなどをうまく利用すれば、サイトカインの過剰生産による炎症反応を抑えることに繋がるでしょう。 炎症性と抗炎症のサイトカインの違い サイトカインには炎症性のものと抗炎症のものがあります。 2つのサイトカインは同じサイトカインという名でも異なる働きをします。 お互いに抑制しあってバランスを保っているので2つとも身体になくてはならないものです。 自己免疫疾患もこの2つのサイトカインのバランスが崩れ、過剰生産などが起きることにより発症すると言われています。 炎症反応を起こす炎症性サイトカインと、炎症反応を抑制してくれる抗炎症サイトカインを詳しく見ていきましょう。 炎症性サイトカインとは 炎症性サイトカインは、炎症が起こったときに産生されるタイプのサイトカインです。 このサイトカインは単球、マクロファージ系の細胞により産み出されるものが多く存在します。 参照: 他にも組織間質を構成するための細胞である線維芽細胞や血管内皮細胞などからも産み出されます。 そして好中球と呼ばれる、炎症過程で浸潤する白血球の一種からも産出されます。 炎症性サイトカインは血管内皮細胞の接着分子の発現の増強に関わっています。 また、浸潤した細胞の活性化も大事な役割として担っています。 要は、病原体が何がしかの原因で体内に侵入し、炎症反応を起こすときに関わってくるのが炎症性サイトカインです。 炎症反応を誘導するのは「IL(インターロイキン)-1」や「IL-6」です。 T細胞やNK細胞を刺激することで細胞を増加させるのは「IL-12」と言います。 いずれも過剰活性すると身体によけいな反応をもたらすので、生活習慣を正しくして過剰活性させないことが大切です。 抗炎症サイトカインとは 炎症性サイトカインとは逆に、炎症症状を抑制してくれるのが抗炎症サイトカインです。 炎症性サイトカインと同様、抗炎症系のサイトカインの総称になります。 慢性関節リウマチの治療の研究では、この抗炎症サイトカインを用いた実験も行われています。 関節リウマチの原因は完全に解明されたわけではありませんが、免疫系の異常が原因になる場合が多いと言われます。 完全に病気の原因がわかっているわけではありませんが、患者さんの免疫系(細菌などから体を防御するシステム)に異常があることはよく知られています。 このため遺伝子の何らかの異常か、感染した微生物(ウイルスや細菌)の影響か、あるいはこの両方の組み合わせによって起こるのではないかと考えられています。 引用元: 抗炎症性サイトカインを投与することで炎症性のサイトカインを抑え、リウマチの症状を抑えるという方法です。 白血球の接着を阻害することで病変も改善できると言われています。 炎症性サイトカインに拮抗する力を持つ抗炎症サイトカインも存在し、過剰生産気味の炎症性サイトカインによる症状を制御することができると考えられています。 このような治療は抗サイトカイン療法とも呼ばれています。 原因不明であり改善が今まで難しいとされてきたリウマチ治療の主役が抗炎症サイトカインというわけです。 IL-4を詳しく説明すると、IgE抗体を作るようにB細胞に指示してくれるサイトカインであり、アレルギー反応にも重要な役割を果たすと言われています。 「IL-10」は炎症系サイトカインの増加を抑制して、B細胞を増殖させたり抗体の産生を助けてくれます。 サイトカインストームとは? 鳥インフルエンザにかかった患者が重症化した場合、サイトカインストームである可能性が高いです。 サイトカインストームとは、サイトカインが過剰発現した状態のことです。 サイトカインストームになると臓器不全に陥る可能性があります。 敗血症や虚血性腎不全など、急性の臓器障害の発症に関わってくるのがこのサイトカインストームです。 サイトカインは免疫系のバランスの乱れなどによってその制御がうまくいかなくなると、サイトカインストームと呼ばれるサイトカインの過剰な産生状態を引き起こし、ひどい場合には致死的な状態に陥ります。 引用元: これに対する治療は現在研究が重ねられています。 インフルエンザで重症化するのは一般的にお年寄りや子どもと考えられがちですが、このサイトカインストームが起きた場合は話が別で、20代から30代の健康的な若者でも死に至ることがあります。 臓器不全となる重症化具合は、サイトカインがどの程度発現するかのレベルによって変わるとされています。 いかにサイトカインの誘導を適正に保てるかにより、この重症化を防ぐかが課題となっています。 いまだに未知の領域が多く、このサイトカインストームによって起きる重症化を防ぐには予防するのが一番の治療方法とも言えます。 インフルエンザが流行したらかからないように予防をしておく、もしくは単なるインフルエンザと油断せずにきちんと治療に専念することが大事です。 サイトカインストームを引き起こさないように気を付けなければなりません。 サイトカインの種類 サイトカインには医薬品にも使われるものがあります。 数あるサイトカインのなかでも代表的なものは以下3つです。 インターフェロン• インターロイキン• 腫瘍壊死因子(しゅようえしいんし) それぞれの特徴や医薬品への使われ方を見ていきましょう。 インターフェロン ウィルスに感染したとき、対抗できるように作り出される物質の1つがインターフェロンです。 この物質は身体の細胞にくっつくことで信号を送り、ウィルスの遺伝子を切断するような物質や、ウィルスのたんぱく質作成を妨害する物質を作り出すようにします。 これによりウィルスは増殖できなくなります。 インターフェロン療法とは、このインターフェロンを大量に追加することで体内のウィルスに対抗しようとする治療方法です。 HCVといった感染が持続的に起こるウィルスのように、体内で自然に作成されるインターフェロンでは対抗するのに量が足りない場合に用いられます。 完全に排除することはできなくても、肝硬変や肝臓癌の発生確率を低下させることは可能です。 腎臓がんや骨髄腫などの癌治療そのものにも使われています。 このようにウィルスに抵抗できる薬や、抗がん剤に用いられるなど医薬品によく用いられているのがインターフェロンです。 ちなみにインターフェロンの名の由来はInterferenceです。 ウィルス干渉という意味であり、その因子としてInterferon(インターフェロン)と命名されました。 インターロイキン インターロイキンは白血球から作り出されるサイトカイン免疫細胞です。 これまでに30種類以上が見つかっています。 発見された順に番号が振られていて、IL-8であるケモカインなどがあります。 このインターロイキンは白血球から作り出された後、標的となる細胞の表面に発現する受容体と結合をします。 そして受容体を介することでT細胞、 B細胞などを活性化させます。 細胞の分化や増殖を誘導したり、炎症の誘導、抑制、さらに抗体産生の亢進の役割も果たします。 自己免疫疾患や免疫不全に関係していると言われているのもインターロイキンです。 また、抗がん剤としても使われているIL2もインターロイキンの1つです。 組換えDNA技術により作られているもので、NK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させることにより、がん細胞を攻撃することができます。 進行腎細胞ガン、悪性黒色腫にも使われています。 また、インターロイキンであるIL10は脳脊髄炎を抑制してくれる力があるとされています。 プラズマブラストという主要なB細胞がIL10を産生することが分かっていて、このプラズマブラストが欠損すると脳脊髄炎が悪化することまで明らかにされています。 このように現在さまざまな難病に対しての治療として用いられているので、注目されているサイトカインでもあるのがインターロイキンです。 腫瘍壊死因子 しゅようえしいんし 腫瘍壊死因子 しゅようえしいんし は別名、TNF Tumor Necrosis Factor とも言います。 アミノ酸からなるたんぱく質であり、その名の通り腫瘍を壊死させる作用を有しています。 活性化されたマクロファージより産生されるもので、他にも単球やT細胞、NK細胞なども産生源であるとされています。 マクロファージは病原体の侵入を監視したり、殺菌作用を持っている単球のことです。 抗体産生の亢進を行うので、感染防御や抗腫瘍作用があるとされています。 衰弱を促進する悪液質を誘導する物質と同じであるという副作用も報告されているので、がん患者に用いるときは注意が必要です。 良い面も悪い面も持っているので、副作用を防ぐために漢方薬を併用するなどしながら使用されています。 抗炎症機能を高める食材6選 抗炎症機能を高めるとされる食材をご紹介します。 数多くの食材の中から特に有名なものを6つ厳選しました。 ブロッコリー• ブルーベリー• ナッツ• 唐辛子 これらの食品を積極的に摂ることで、体の炎症反応に対する 対抗力を身につけましょう。 ぜひ参考にしてください。 サバ サバにはオメガ3脂肪酸がたくさん含まれています。 しかもスーパーに1年中売られている食材なので、手に入れやすいです。 身近であり、無理なく続けられる食材として最適です。 オメガ3脂肪酸は炎症を軽減してくれることが数多くの研究で明らかにされています。 サバが苦手であればサプリメントでも大丈夫です。 調理が面倒な人は缶詰でもいいでしょう。 ブロッコリー ブロッコリーにはカリウムやマグネシウムがたくさん含まれています。 抗炎症だけではなく、抗酸化も期待できる食材です。 できればブロッコリーの新芽であるスプラウトがおすすめです。 スルフォラファンという、肝機能や糖尿病の改善で注目されている成分がたくさん含まれているからです。 ブルーベリー ブルーベリーには有名なアントシアニンの他に、ケルセチンという成分が多く含まれています。 このケルセチンこそが炎症に対抗する力をもっていて、癌にも良いとされている栄養素です。 脂肪もカロリーも少なく、抗酸化も期待できるベリーです。 目をよくしたい人以外でも摂取しておきたいところです。 ナッツ 調理せず、手軽に食べられる食材であるナッツ類にはサバと同じくオメガ3脂肪酸が含まれています。 ナッツはメタボや高血圧にもいいとされています。 コレステロールのバランスを改善してくれるなど、生活習慣病の予防にも役立ってくれます。 アーモンドやクルミなどのナッツ類を積極的に取りましょう。 食物繊維やビタミンEなども含まれているので、健康的で手軽に食べられるおやつとなります。 ナッツを選ぶときはできるだけ塩分を添加していないものを選べばより健康的です。 食塩無添加の素焼きナッツがおすすめです。 大豆 日本には多くの大豆食品があり、手軽に食べられる食材です。 大豆にはイソフラボンが含まれていて、このイソフラボンに炎症を下げてくれる効果があるのではと期待されています。 イソフラボンによる実験では、骨への炎症がやわらぐという結果が報告されていて、現在も研究が進んでいます。 唐辛子 調味料としていろいろな量に使うことのできる唐辛子には、カプサイシンが含まれています。 このカプサイシンは炎症を抑えるためのクリームにも使われている成分です。 身体も温まり、体脂肪の燃焼も期待できる香辛料であり、抗酸化作用もあります。 ただし、食べ過ぎると胃や腸の粘膜が荒れてしまうため、要注意です。 カプサイシンのサプリメントを飲むときも、適量を守って飲みましょう。

次の

新型コロナウイルス感染症とサイトカインストーム

サイトカイン ストーム ステロイド

身体がウイルスや細菌に初めて遭遇すると、免疫システムの働きが高まって、侵入者と戦い始める。 この戦いで歩兵となるのがサイトカインと呼ばれる分子で、細胞にシグナルを次々と送り出して反応を促す。 通常、この免疫反応が強いほど、感染症に打ち勝つ可能性も高くなる。 子供や若者が全体的にコロナウイルスの影響を受けにくいのは、これが理由の1つである。 そしていったん敵が打倒されれば、免疫システムは自らオフになるように作られている。 サイトカインストームの専門家であるアラバマ大学バーミンガム校のランディ・クローン博士は、「これはほとんどの人で、そしてほとんどの感染症で起こっていることです」と説明する。 しかし一部のケースでは(クローン博士のチームによれば、あらゆる重症感染症の患者の15%程度)ウイルスの脅威が去ってからしばらくたっても、免疫システムが暴れ回っている。 免疫システムは、身体を厳戒態勢において、消耗させるサイトカインを放出し続ける。 そうしたサイトカインが、誤って身体を守ろうとした結果、肺や肝臓を含む複数の臓器を攻撃してしまい、これが死につながる場合がある。 関連記事: 健康な若者はサイトカインストームで命を落とす? サイトカインストームはあらゆる年齢の人を襲う可能性があるが、一部の科学者は、1918年のインフルエンザのパンデミックや、もっと最近のSARSやMERS、新型インフルエンザの流行の期間に健康な若者が亡くなったのは、サイトカインストームで説明できると考えている。 この現象は、全身性エリテマトーデスやスティル病(関節炎の一種)など、 さまざまな自己免疫疾患の合併症としても起こる。 さらにサイトカインストームは、他の面では健康な若い新型コロナウイルス感染症患者が、急性呼吸窮迫症候群で亡くなっている理由の手がかりとなる可能性がある。 急性呼吸窮迫症候群は、サイトカインストームの結果として生じることが多いのである。 中国やイタリアでは、この現象と一致すると思われる臨床症状のある若い患者が報告されている。 こうした患者の一部は、サイトカインストームを起こしていた可能性が非常に高いとクローン博士はいう。 前述の42歳の患者のケースでは、サイトカインストームが疑われたため、医師らは最終的に トシリズマブという薬を投与した。 これは、危険な状態にある免疫システムを落ち着かせるのにときおり使われてきた薬だ。 この薬を8時間間隔で2回投与しただけで、患者の熱は急激に下がり、酸素レベルが上昇した。 胸部スキャンでは肺がきれいになっているのがわかった。 「アナルズ・オブ・オンコロジー」誌に掲載された、この患者の症例は、イタリアや中国からの数十件の報告とともに、トシリズマブが一部の患者において、新型コロナウイルスに対する有効な治療薬である可能性を示している。 3月5日に、中国は、新型コロナウイルス感染症の重篤患者にトシリズマブを使用することを承認し、臨床試験の実施を認可した。 3月23日には、アメリカ食品医薬品局(FDA)が製薬会社ロシェに対して、数百人のCOVID-19患者を対象としたトシリズマブの臨床試験を認可した。 トシリズマブは、関節リウマチや、数種類のがんにおいて、免疫分子の過剰な活動を抑える作用が認められている。 インターロイキン-6という、過剰な免疫反応に関連する特別なサイトカインの活動を抑制するのである。 関連記事: 2週間前までは医師も知らなかった「サイトカインストーム」 研究者らは、治療法を探ると同時に、一部の患者の免疫システムが危険な暴走状態になる理由について理解を深めようとしている。 少なくとも一部の種類のサイトカインストームの場合、そのリスクは遺伝要因で説明がつく。 サイトカインストームには多くのバリエーションがあり、 全身性炎症反応症候群、 サイトカイン放出症候群、 マクロファージ活性化症候群、 血球貪食性リンパ組織球症というように、多くの名称がある。 おおまかにいえば、これらはどれも免疫分子の無制限の増加が特徴である。 結果として、複数の臓器の機能が停止し、命に関わる可能性がある。 しかしこのニッチ的な概念に精通していない医者が多いと専門家は指摘する。

次の

新型コロナの重症化はサイトカインストームが原因!? 食べ物や漢方, サプリで防げる可能性【論文引用あり】

サイトカイン ストーム ステロイド

要旨 新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は世界を席巻しパンデミックに至った。 SARS-CoV-2はコウモリを宿主としていたが、遺伝子変異を繰り返すうちにSARS-CoVと同様にヒトのアンジオテンシン変換酵素(ACE)2に結合するものが生じ、細胞内に感染を起こしヒト感染症(COVID-19)として成立するようになった。 しかし、COVID-19では過剰炎症によりサイトカイン放出症候群(CRS)を生じ、過度の炎症病態、過大な酸化の進展、免疫系の破綻などにより多臓器不全に至ることが明らかになった。 過剰な炎症状態は持続的ストレスによるミトコンドリア機能不全を招来し、ミトコンドリアDNAを含むミトコンドリア破砕産物や損傷した細胞はDAMPs damage-associated molecular pattern として過剰炎症の慢性化に関わり、呼吸器感染はARDS、血管内皮細胞障害と凝固線溶系の破綻からDICに至り、中枢神経障害、腎不全、肝不全と多臓器不全に至ることになる。 治療にはSARS-CoV-2の抑制にファビピラビル、ACE2の機能阻害にナファモスタットなどが考えられているが、CRSという病態認識の下に、抗IL-6受容体拮抗薬(トシリズマブ)などの抗リウマチ薬やミトコンドリア機能改善のためにメラトニンが奏功する可能性がある。 本稿ではこれらについて、中国からの報告などを交えて検討する。 はじめに 2019年12月中華人民共和国湖北省武漢市においてはじまった新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)による感染症(COVID-19)は短期間のうちに世界中に拡散し、2020年3月11日にはWorld Health Organization(WHO)がパンデミック状態にあることを宣言した[1]。 重篤例にみられる急性呼吸窮迫症候群(acute respiratory distress syndrome:ARDS)などの呼吸器感染症状[5]のみならず、さまざまな中枢神経症状を呈する[6]ことも同様である。 感染症の病態は、同時に炎症病態でもある。 サイトカイン放出症候群(cytokine releasing syndrome:CRS)にみられるサイトカインストーム状態は、小児リウマチ性疾患ではしばしばみられる病態で、典型的には全身型若年性特発性関節炎(systemic juvenile idiopathic arthritis:SJIA)や全身性エリテマトーデス(systemic lupus erythematosus:SLE)において生じるが、この病態をマクロファージ活性化症候群(macrophage activation syndrome:MAS)とよぶ[10]。 感染症においてもグラム陰性菌による敗血症では膜構成成分であるリポポリサッカライド(LPS)がサイトカインストームを誘導する[11]。 原発性免疫不全症やEpstein-Barr(EB)ウイルスなどの感染症に伴う血球貪食性リンパ組織症. (hemophagocytic lymphohistiocytosis:HLH)[12]もCRSの一病態である。 関節リウマチ(rheumatoid arthritis:RA)疾患概念・病態など慢性炎症性疾患において炎症の慢性化はなぜ起こるのか、炎症病態が進行するなかでマクロファージ活性化症候群(MAS)や血球貪食性リンパ組織球症(HLH)など病態の急性転換はなぜ起こるのか、いずれも未解決の問題であり、また、SARS-CoV感染、MERS-CoV感染とともにSARS-CoV-2感染においてCRSに至る原因も不明である。 しかし、生じていることは自然免疫系(innate immunity)の調節機能障害を背景とした多彩な炎症性サイトカインやケモカインの産生・分泌の調節破綻であり、治療戦略は分泌された炎症性サイトカインやケモカインを緊急に排除することと、過剰な産生を抑制することに尽きる[13]。 他方、ベッドサイドにおいてはいくつかの一般検査項目をモニターすることでサイトカインストームの状態を的確に判断することは可能であり、この判断に従って早期に適切な治療を導入すればCRS状態の改善を期待できる。 ところで、ごく最近、自然免疫系の活性化・調節と炎症の増幅・慢性化にミトコンドリアが関与しているとの報告が蓄積してきた[14]。 ミトコンドリアは、ヒトにエネルギー(ATP)の90%以上を供給する細胞内小器官であるが、感染症および非感染性の臓器・細胞傷害や損傷に対して積極的に自然免疫系を調節していることが明らかになり、ミトコンドリアに由来するタンパク(n-FP、Cardiolipinなど)やミトコンドリア自体の持つミトコンドリアDNA(mtDNA)が自然免疫系に直接働きかけてTLR(Toll-like receptor)、NLRP(NOD-like receptor PYD)、cGAS-STING経路を活性化していることが判明した[15]。 感染症を含むさまざまなストレス要因がミトコンドリアの傷害・損傷に関わり、ミトコンドリアタンパクやmtDNAが放出されて炎症の慢性化が生じ、さらに慢性炎症の急性転換に関わっており、COVID-19においてみられるCRSにおいても同様に病態の誘導に関わっている可能性がある。 新型コロナウイルス感染症(COVID-19) 2019年12月に中国武漢市ではじまった新型コロナウイルスSARS-CoV-2の流行は、中国のみならず全世界に拡大している。 この新型コロナウイルス感染症はCOVID-19と命名され、感染者数は4月21日現在全世界で200万人を越え、死亡者数も16万人を越えたと報道されている。 他方、3種類のウイルス、SARS-CoV、MERS-CoV、SARS-CoV-2は下気道感染を起こし、極めて重篤なARDSや多臓器不全を呈することが知られている[5,6]。 ヒトのSARS-CoV-2受容体は心機能や血圧調整に大きく関与しているアンジオテンシン変換酵素2(ACE2)[16,17]で、ウイルスのエンベロープの王冠(コロナ)様突起(spike)のSタンパクが受容体に結合して、ウイルスのRNAゲノムが細胞内に侵入する。 ACE2受容体のSタンパクに対する親和性はSARS-CoV-2では極めて高いことが報告されている[18]。 このACE2受容体は、肺胞上皮細胞の83%に発現しているため気道・肺胞上皮細胞がCOVID-19の第1の感染標的となっているが、同時に心臓、腎臓、血管内皮細胞、消化管の細胞にも発現していることに注意を要する。 すべてのコロナウイルスは人畜共通感染ウイルスであり起源はコウモリといわれているが、感染には厳密な種特異性がある。 遺伝子変異を起こして、ある動物から他の種の動物へ感染を起こした場合には、当初は激しい病原性を発揮することがあるが、やがてその種に徐々に馴染んでくる傾向があるとされる。 しかし、COVID-19は現在世界中でいまだ激しい病原性を発揮している時期にあり、その病態をいかに理解し、どのように対応すべきかを医学・医療界の周知を結集して議論すべきときである[19]。 病理学的変化 わが国のCOVID-19感染症例の病理学的報告はなく、中国からいくつかの報告がある[20,21]。 Xuらによると、病理組織学的には両肺ともびまん性に肺胞の障害を認め、細胞浸潤と線維粘液様滲出物で満たされていた。 右肺は肺胞細胞の剥離を認め硝子膜形成があり、ARDSの所見を呈していた。 左肺は肺水腫像を呈し硝子膜形成がはじまっており、ARDS初期像と考えられた。 間質には炎症性単核球とリンパ球の浸潤を認め、肺胞内気道空間部位には多核合胞体細胞を認め、異常に巨大化し核が肥大化した肺胞細胞が混入していた。 この巨細胞にはウイルス感染の痕跡が認められた。 このような組織所見は、SARS-CoVやMERS-CoVでみられたものと同じものであった。 肝組織では中等度の微小胞脂肪症を認め、小葉および門脈の変化は少なかった。 この所見からSARS-CoV-2の感染か薬剤による肝障害が疑われた。 心臓組織は間質に炎症性の単核球の浸潤は認めたが、心筋そのものに障害はなかった。 肺組織には出血や壊死が起こり、出血性梗塞がみられる。 脾臓・肺門リンパ節・骨髄では、脾臓の萎縮が明確に認められリンパ球数が著しく減少している。 脾臓内ではマクロファージの増殖と貪食像がみられる。 骨髄では汎血球減少が認められる。 心臓では心筋細胞の変性・壊死がみられることがあり間質に少数の単球、リンパ球、好中球の浸潤がみられる。 腎ではボーマン嚢腔内にタンパク質性滲出物を認め、尿細管上皮は変性・脱落がみられ、硝子様円柱もみられる。 脳組織では充血と浮腫がみられ、一部ニューロンの変性がみられる。 COVID-19の病態 SARS-CoV-2はSARS-CoVと相同性が最も高く、2002年のSARS-CoV流行時の社会的・ウイルス学的経験と、COVID-19を先行して経験した中国の報告等を勘案する必要がある[1,2,9,13]。 これらコロナウイルス感染症重篤化に関する病態生理は、生体内でのウイルスの急速な増殖と感染に起因する激しい炎症病態であり、その反応が過剰で制御不全となった場合にはCRSに引き続いて起こる多臓器障害のはじまりとしてARDSが生じ、やがて多臓器機能障害症候群(multiple organ dysfunction syndrome:MODS)・多臓器不全(multiple organ failure: MOF)に至り死の転帰をとる過程である。 Yangの報告[23]によると、早期の急速なウイルス増殖によりSARS-CoV-2は気道・肺胞上皮細胞、血管内皮細胞に感染を起こし激しいアポトーシス(プログラム細胞死)と血管漏出を誘導している。 また、Huangら[8]によると、臨床症状は高熱にはじまり、咳嗽、激しい筋痛、だるさ・倦怠感、そして呼吸障害が出現し、胸部CTにて肺炎像が認められる。 血中のRNA増加の観察から著しいウイルス血症が生じており、その後、急性心筋障害、二次感染症を併発した。 以上より、病態的には、SARS-CoV-2感染により自然免疫の過剰活性化により著しいサイトカインストームが生じたこと、一方、リンパ球数の著しい減少から獲得免疫系の機能障害が推定された。 Zhangら[25]は重篤なCOVID-19例にみられるサイトカインストームのなかで、IL-6が過剰な炎症病態の中心的なサイトカインと考え、「新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン」[22]に基づいて最重症と診断された21例に対してIL-6受容体拮抗薬であるトシリズマブを用いたところ、19例が危機を脱したことから、IL-6が重篤化のleading cytokineであると主張している。 自然免疫の仕組みと炎症性サイトカイン 図1 自然免疫系と獲得免疫系 自然免疫系は、外的ストレス因子(ウイルスや細菌などの感染因子)をPAMPsとして、内的ストレス因子(傷害された細胞や死細胞の破砕物、ミトコンドリア破砕物など)をDAMPsとして、TLRs、NLRP3インフラマソームなどを介して認識する。 一方、ウイルスや細菌のDNAはcGAS-STING系を、ウイルスRNAはRLR系を介して認識する。 細菌やウイルスの感染という外環境(外因性)のストレス、および、体内環境(内因性)のストレスに対して、生体は恒常性を維持するために免疫系を活性化してストレス応答を行う。 この免疫系を大きく2つの段階に分けて考える。 自然免疫(innate immunity)と適応免疫(adaptive immunity)である[26]。 内因性ストレス分子に対しては機能・構造の変化、あるいは組織・細胞の傷害に伴う変化を認識する(damage-associated molecular patterns: DAMPs)。 他方、近年、内因性ストレスに対して、いわばストレス・センサーとしてのミトコンドリアの新規機能が発見された[28]。 第1に、ミトコンドリアの傷害・機能不全の反映として直接に自然免疫系を刺激する機能、第2に、通常のミトコンドリア機能やその過程で付随的に起こる自然免疫反応の調節機能があげられる。 TLR(Toll-like receptor)はPRRsのひとつで10種存在し、細胞表面にはTLR1,2,4,5,6、エンドソームにはTLR3,7,8,9がある。 TLR3はdsRNAを、TLR4はLPSをリガンドとしている。 また、TLR9、TLR4活性化はミトコンドリアも関わっている[28]。 TLR7はウイルスの核酸により活性化するが、ここにもミトコンドリア膜の関与が報告されている。 NLRP3の活性化は2段階を経て生じ、まず前段階の感作(priming)、続いて活性化(activation)が起こる。 RNAウイルスのゲノムに関してはretinoic acid inducible gene like receptor(RIG-I、MDA5、LPG2)などが、ウイルスRNAのセンサーとして機能する。 2.ミトコンドリアと自然免疫 図2 ミトコンドリアによる自然免疫系の活性化と調節システム ミトコンドリアの破砕物(DAMPs)は自然免疫系の活性化に関わっている。 ミトコンドリアDNA(mtDNA)は、ミトコンドリアの機能不全・破壊により細胞質内に遊出する。 その結果、cGAS、CGAMP、STINGを介する細胞内伝達システムが活性化して転写因子の活性化に至る。 ミトコンドリアは生体の個々の細胞が必要とするエネルギー(ATP)を供給する細胞内小器官である。 ATP産生にはマトリックスが陰性荷電状態であることが必須で、これにより電子が電子伝達鎖を介してATP合成に至る。 この陰性荷電状態はさまざまなストレス因子、たとえば抗酸化剤、酸化的リン酸化基質、膜非結合物質などにより破綻する。 陰性荷電状態が破綻すればATP産生障害が生じ、活性酸素種(reactive oxygen species:ROS)を産生・分泌して生体内に広範な損傷をもたらすことが知られている[33]。 さらに障害されたミトコンドリアは膜機能を失い、その構成成分であるカルジオリピン、活性酸素種、mtDNAなどは細胞質内、次いで血中に放出されるが、これらの物質がDAMPsとして自然免疫系を活性化することになる[28]。 カルジオリピンは動物の心筋組織に検出されるが、ミトコンドリアの内膜にも存在する。 ミトコンドリアは、その機能を発揮するため劇的に構造的な変換(fission-and-fusion)を遂げるが、これはカルジオリピンの特殊な機能による。 また、カルジオリピンがミトコンドリア外に放出されると、NLRP3インフラマソームを活性化して炎症性サイトカインの産生を促す。 ミトコンドリアは20億年前に真核細胞と細胞内共生に入ったプロテオバクテリアに由来する。 独自のDNA(mtDNA)を持ち分裂・増殖するが、細菌由来のDNAであるためにヒトのヌクレアーゼでは劈開できない。 臨床場面で、外傷、RA、大腿骨骨折、ショックなどの病態で血中mtDNAが上昇しているとの報告がある。 ミトコンドリアは全身の個々の細胞に存在する細胞内小器官であり、生体がサイトカインストーム状態に陥った状況でさまざまな細胞の障害、細胞死が生じることになれば、ミトコンドリア由来のカルモジュリンやmtDNAなどが病態形成に果たす役割には、極めて重要かつ深刻なものが多いものと推察される。 ミトコンドリア・ストレス、細胞傷害・細胞死により細胞内、流血中に放出されたカルジオリピンやmtDNAは、炎症病態をさらに進展させることになる。 同時に、露出したコラーゲンは凝固内因系を活性化させ、内皮細胞崩壊により放出された組織因子により凝固外因系も活性化することにより、破綻した血管内皮細胞領域を血小板とフィブリンが覆うことになる。 フィブリンの形成はプラスミンを活性化させ、その結果、血中にFDPやD-dimerが増加することになる。 血管内で、この凝固線溶系システムに破綻が生じた状態が微小血管凝固障害であり播種性血管内凝固症候群(DIC)である。 さらに、COVID-19においてはリンパ球の減少が著しく、免疫機能の不全に伴う二次感染には十分な配慮が必要である。 SARS-CoV-2感染により自然免疫系に大量のPAMPsが曝露され、また、組織・細胞障害がすすみ多くのDAMPsが加わり、炎症性サイトカイン・ケモカインの過剰状態が生じる。 さらに、免疫系細胞の機能不全から容易に二次感染症に至る。 すなわち、SARS-CoV-2感染に引き続いて生じる自然免疫の活性化がCRS病態を形成し、やがてMODSからMOFに至る流れが理解できることになる。 このなかにCRSであるマクロファージ活性化症候群への急性転換を起こしうる全身型JIA(SJIA)、成人スチル病が含まれる。 この病態の中心的なサイトカインの一つがIL-6であり、過剰なIL-6機能を抑制することが治療戦略のひとつとして浮上する。 中国からの報告[37]によると、COVID-19において重篤な呼吸器症状・呼吸障害を呈した21例(ロピナビル、メチルプレドニゾロンが無効)に対してトシリズマブを投与したところ、翌日より臨床症状、酸素飽和度、検査所見、胸部CT所見のいずれもが改善し、重篤例2例を含む19例(90. 5%)は13. 5日以内に退院に至り、残り2例も院内で良好な経過をとった。 また、全例でトシリズマブの副作用とみなせる所見は得られなかった。 現在、トシリズマブは中国およびイタリアにおいてCOVID-19の治療薬として推奨されている[38-40]。 アナキンラは、IL-1受容体アンタゴニスト(IL-1Ra)のリコンビナントタンパクである。 わが国では承認された適応疾患はないが、アメリカのFDAではRA、自己炎症性疾患(MWS、FCAS、NOMID)などが承認されている。 CoV感染に対してのアナキンラ使用例の報告はない。 動物実験では、LPS誘導敗血症モデルで臓器細胞のアポトーシスを誘導し、RAなど自己免疫疾患でも主要な役割と演じている。 この受容体の細胞内部位には細胞内チロシンキナーゼ(Janus kinase:JAK)が結合している。 サイトカインがこの受容体に結合すると、JAKのリン酸化とともに、転写因子STAT(signal transducers and activator of transcription)のリン酸化が誘導され、リン酸化されたSTATは二量体を形成して核内へ移行し転写を制御している。 JAK阻害薬は、細胞内でサイトカイン刺激により誘導されるJAKの活性を競合的に、かつ特異的に阻害するので、理論上は複数のサイトカインを同時に阻害する。 わが国では、現在3種類のJAK阻害薬、トファシチニブ、バリシチニブ、ベフィシチニブが上市されているが、バリシチニブは肺細胞へのウイルスの侵入を阻止する機能をもち、サイトカイン刺激で誘導されるJAKの活性を即時的に阻害する。 したがって、COVID-19に伴う肺細胞内へのウイルスの侵入とサイトカインストームによる病態形成を阻止できる可能性がある。 他のJAK阻害薬であるトファシチニブにはウイルスの侵入を阻止する機能はない。 なお、現在、JAK阻害新薬の開発が進んでおり、中国ではこれら新薬のCOVID-19を対象にした臨床試験が進められている[43,44]。 5.メラトニン メラトニンは松果体から分泌され、受容体を介して概日リズムの同調を行い、睡眠ホルモンとして知られている。 他にも広範囲にわたる強力な抗酸化物質としての役割、抗炎症作用も知られている。 メラトニンはSARS-CoV、SARS-CoV-2などの受容体であるACE2の発現を間接的に調節することにより、これらCoVの細胞内侵入を阻止する可能性がある。 すなわち、カルモジュリンのACE2受容体への結合を阻害して、CoV感染の重要な過程である外部ドメインの排出を抑制している[45]。 また、メラトニンはミトコンドリアを標的とした抗酸化作用を介してDNAの保護を行っており[46,47]、COVID-19においてもCRSストレスに対して機能不全に陥ったミトコンドリアの回復に有用である可能性がある。 しかし、現在、薬剤としてのメラトニンはわが国にはなく、今後の検討が待たれる。 6.メチルプレドニゾロン・パルス療法 ステロイド薬の全身的投与は、過度な炎症状態を終息に向かわせるために用いられる。 SARS-CoVでは免疫調節薬として治療の中心的位置を占めていた。 適切な時期に開始されれば消炎効果を認め、画像的改善が得られ、酸素化の改善も認められた。 一方、早すぎる投与は、逆にウイルスの増殖を促し病状の悪化を促進した。 したがって、ステロイド治療は、投与の時期、種類、量、投与期間などを勘案して開始することが重要である。 COVID-19においてもARDSに至った例やベッドサイドでサイトカインストーム状態と判断された場合には、メチルプレドニゾロン・パルス療法は選択枝のひとつであろう。 本法は全身性エリテマトーデス、血管炎症候群、全身性皮膚硬化症などのリウマチ性疾患では、急性増悪期・サイトカインストーム病態(マクロファージ活性化症候群)やプレドニン経口量の減量を目的として用いられ、そのほかにも急性循環不全(ショック状態)や、悪性リンパ腫の急速に進行する中枢神経障害や間質性肺炎の例などに用いられている。 COVID-19では、中国ですでに重篤なARDSに至った症例に対する臨床試験がはじまっている[48]。 7.体外的治療法(血漿交換療法と持続的血液濾過透析) 体外的治療法のひとつとして、血漿交換療法がある。 敗血症から多臓器不全に至った例やマクロファージ活性化症候群で臓器細胞障害の進展・DICのみられる例に対して、その基盤となる過剰な炎症性サイトカインを除去して過度の炎症病態と凝固線溶系障害の進展を阻止するうえで極めて有効な治療方法である。 COVID-19のサイトカインストーム状態にも血漿交換療法は有用と思われる[49,50]。 もうひとつの体外的治療法である持続的血液濾過透析によりCOVID-19の起こした重篤な腎疾患患者を救命した報告はある[51]。 この方法は、いわば一過性腎置換療法とよべるもので、敗血症患者にみられる急性腎不全状態における尿毒症、電解質均衡異常に対応でき、持続的輸液による体液バランスの管理を行うのに有用である[52]。 輸液管理が困難で輸液量が過剰になることは、このような患者では死に直結することになる。 JAMA 2020 Feb 24. doi: 10. 2020. 2648. [2] Yang Y et al. J Autoimmun 2020;109:102434. [3] The WHO MERS-CoV Research Group. PLoS Curr 2013;5. doi: 10. outbreaks. 0bf719e352e7478f8ad85fa30127ddb8. [4] Guo Y-R et al. Mil Med Res 2020; 1 :11. doi: 10. [5] Sarzi-Puttini P at al. Clin Exp Rheumatol 2020;38 2 :337-42. [6] Wu Y et al. Brain Behav Immun 2020 Mar 30. doi: 10. bbi. 2020. 031. [7] Rodriguez-Morales AJ et al. Travel Med Infect Dis 2020 Mar 13:101623. doi: 10. tmaid. 2020. 101623. [8] Huang C et al. Lancet 2020;395:497-506. [9] Chen N et al. Lancet 2020;395:507-13. [10] Yokota S et al. J Rheum 2015;42:712-22. [11] Huang LM et al. Lipids Health Dis 2020;19:19. [12] Usumani GN et al. Br J Haematol 2013;161:609-22. [13] Zhang W et al. Clin Immunol 2020;214:108393. [14] Sandhir R et al. Biochim Biophys Acta Mol Basis Dis 2017;1863 5 :1090-7. [15] Mohanty A et al. J Cell Commun Signal 2019;13 3 :303-18. [16] Li W et al. Nature 2003;426:450-4. [17] South AM et al. Am J Physiol Heart Circ Physiol 2020;318:H1084-90. [18] Ortega JT et al. EXCLI J 2020;19:410-7. [19] Ferro F et al. Clin Exp Rheum 2020;38:175-80. [20] Xu Z et al. Lancet Respir Med 2020;8:420-2. [21] Tian S et al. J Thorac Oncol 2020 Feb 28. doi: 10. jtho. 2020. 010. [22] 中華人民共和国国家衛生健康委員会弁公庁・中国国家中医薬管理局弁公庁.新型コロナウイルス肺炎診療ガイドライン(試行第7版).2020年3月3日. [23] Yang M. Cell pyroptosis, a potential pathogenic mechanism of 2019-nCoV infection. SSRN 2020. [24] Man SM et al. Immunol Rev 2017;277:61-75. [25] Zhang C et al. Int J Antimicrob Agents 2020 Mar 29:105954. doi: 10. ijantimicag. 2020. 105954. [26] Gourbal B et al. Immunol Rev 2018;283:21-40. [27] West AP, Shadel GS. Nat Rev Immunol 2017;17:363-75. [28] Banoth B, Cassel SL. Transl Res 2018;202:52-68. [29] Collins LV et al. J Leukoc Biol 2004;75:995-1000. [30] Kelley N et al. Int J Mol Sci 2019;20 13. doi: 10. [31] Kato H et al. Immunity 2005;23:19-28. [32] Ishikawa H, Barber GN. Nature 2008;455:674-8. [33] Letts JA, Sazanov LA. Nat Struct Mol Biol 2017;24:800-8. [34] Li G, De Clercq E. Nat Rev 2020;19:149-50. [35] Yamamoto M et al. Antimicrob Agents Chemother 2016;60 11 :6532-39. [36] Yokota S et al. Lancet 2008;371:998-1006. [37] Xu X et al. Effective treatment of severe COVID-19 patients with Tocilizumab. chinaXiv-202003. 00026v1. [38] Zhang C et al. Int J Antimicrob Agents 2020 Mar 29:105954. doi: 10. ijantimicag. 2020. 15954. [39] Bannardo F et al. Oral Oncol 2020 Mar 21:104659. doi: 10. oraloncolgy. 2020. 14659. [40] Wang D. A multi-center, randomized controlled trial for the efficacy and safety of tocilizumab in the treatment of new coronavirus pneumonia (COVID-19). ClinicalTrials. gov:NCT04335071. 2020. [41] Shakoory B et al. Crit Care Med 2016;44:275-81. [42] Zhou L. A clinical study for the efficacy and safety of adalimumab injection in the treatment of patients with severe novel coronavirus pneumonia (COVID-19). Chinese Clinical Trial registry: ChiCTR2000030089. 2020. [43] Hongzhou L. Study for safety and efficacy of Jakotinib hydrochloride tablets in the treatment severe and acute exacerbation patients of novel coronavirus pneumonia (COVID-19). Chinese Clinical Trial registry: ChiCTR2000030170. 2020. [44] Yang C. Severe novel coronavirus pneumonia (COVID-19)patients treated with ruxokitinib in combination with mesenchymal stem cells: a prospective, single blind, randomized controlled clinical trial. Chinese Clinical Trial registry: ChiCTR2000028580. 2020. [45] Silvestri M, Rossi GA. Ital J Pediatr 2013;39:61. [46] Galano A et al. Molecules 2018;23 3. doi: 10. [47] Mayo JC et al. Cell Mol Life Sci 2017;74:3927-40. [48] Zhou YH et al. Chin Med J Engl 2020 Mar 5;10. 0000000000000791. [49] Keith P et al. Crit Care 2020;24 1 :128. [50] Ma J et al. Clin Immunol 2020;214:108408. [51] Fu D et al. Nephron 2020:1-3. doi: 10. [52] Selewski D et al. Crit Care Med 2012;40 9 :2694-9.

次の